イカリオス(読み)いかりおす(その他表記)Īkarios

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イカリオス」の意味・わかりやすい解説

イカリオス
いかりおす
Īkarios

ギリシア神話においてラケダイモン人ペリエレスの子。英雄オデュッセウスの妻ペネロペの父。異母兄弟ヒポコオンに追われてプレウロンに行き、リガイオスの娘ポリカステを妻として、ペネロペほか2子を得た。のちに娘の結婚相手を選ぶため競走競技を催すが、オデュッセウスが勝ってペネロペを得ると、イカリオスは結婚後も自分と住むようオデュッセウスに願った。するとオデュッセウスはその選択を妻にゆだね、彼女はほおを赤らめて顔をベールで覆ったため、娘の本心を察した父親は、2人を立ち去らせてその地に「恥じらいの女神」の神殿を建てた。

[小川正広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「イカリオス」の意味・わかりやすい解説

イカリオス

ギリシア伝説の登場人物。同名2人が知られる。(1)アッティカ住人で,ディオニュソスブドウ酒の造り方を伝授され,人びとにふるまったが,毒殺をたくらんだと誤解され殺された。(2)オデュッセウスの妻ペネロペの父。

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