山川 世界史小辞典 改訂新版 「イスラーム原理主義」の解説
イスラーム原理主義(イスラームげんりしゅぎ)
Islamic Fundamentalism
シャリーアを厳格に適用する「イスラーム国家(社会)」の建設をめざすムスリムの思想と運動に対する蔑称。当事者は「イスラーム主義」を自称して,原理主義と呼ばれることを拒否している。現実にはこうした運動とまったく無関係に,紛争の関係者やテロの実行犯,また反米的なムスリムをイスラーム原理主義者と呼ぶことも多い。1979年のイラン革命を機に普及した用語で,明確な定義がないにもかかわらず,危険なイメージだけは喚起できるため,ボスニアやチェチェン,パレスチナなどの紛争地で,無辜(むこ)のムスリムの虐殺を正当化するために用いられてきた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報