ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イビ=シン」の意味・わかりやすい解説
イビ=シン
Ibbi-Sin
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…のち彼の息子(あるいは弟)のウルナンムがウルで独立し,ウル第3王朝が成立した。王朝ではウルナンムUr‐Nammu(在位,前2112‐前2095),シュルギShulgi(前2094‐前2047),アマルシンAmar‐Sin(前2046‐前2038),シュシンShu‐Sin(前2037‐前2029),イビシンIbbi‐Sin(前2028‐前2004)の5王が即位。首都ウルをはじめ,ギルス(ラガシュ),ウンマ,ニップール,プズリシュ・ダガンなどから無数のウル第3王朝時代楔形文書が出土している。…
…シュルギ治下のウルにおけるジッグラト(人工の高い重層基壇の上に小祠を頂く聖塔)の造営や,数千頭の牛や数万束のアシを一括した記録の出現に見られるような繁栄や国家的収納機構の整備にもかかわらず,シュメール地方の土地生産力はかなり低下していた。やがて第4代のシュシンの時代にはアムル人(アモリ人(びと))の侵入が目だち,第5代イビシンの治世の末年にはその配下の武将に支配地域の大部分を奪われた後,王朝はエラムによって滅ぼされた。以後メソポタミアの地がアムル人によってますますセム化されていく過程で,政治中心はイシン,ラルサ,バビロン,エシュヌンナ,マリの5強に絞られ,バビロンのハンムラピによる統一の下でシュメール人はアムル人に吸収され,シュメール人の歴史的役割は終りを告げる。…
…ニップール近郊には王朝内外からの無数の貢献家畜を点検する施設プズリシュ・ダガンも建設された。5代王イビシン時代までには西方セム系アムル人(アモリ人)の圧力が強まる。イビシンの高官アムル系のイシュビエラはイシンで独立するとともに,各地を軍事占領した。…
※「イビ=シン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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