えい‐きゅう ‥キウ【永久】
[1] 〘名〙 (形動)
① (━する) 長い間。物事が長い間続くこと。また、そのさま。
※
曾我物語(南北朝頃)三「位をゑいきうにたもち給ふと申しつたへて候」
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)八「八の数を以て、永久
(エイキウ)の
嘉瑞とし、もののめでたき極位
(ごくゐ)与
(と)する事は」
※西洋事情(1866‐70)〈
福沢諭吉〉初「此政治は天地と共に永久すべし」 〔詩経‐小雅・六月〕
② ある状態が時間的に無限に続くこと。また、そのさま。永遠。
永劫。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
※悪魔(1903)〈国木田独歩〉八「彼の名は今以て世間に聞えない。恐らく永久(エイキウ)に聞えないだらう」
[2] 平安時代、
鳥羽天皇の代の
年号。
東大寺、興福寺の
僧徒の騒動や火災、悪疫流行などの不吉な事件が続いたため
天永四年(
一一一三)七月一三日改元。永久六年(
一一一八)四月三日に至り次の元永に代わる。
白河上皇の
院政時代にあたる。
出典は「詩経‐小雅・南有嘉魚之什」の「吉甫燕喜、既多受
レ祉、来
二帰自
一レ鎬、我行永久」、「蔡邕議」の「其設不戦之計、守禦之固者、皆社稷之臣、永久之策也」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「永久」の意味・読み・例文・類語
えいきゅう【永久】[年号]
平安後期、鳥羽天皇の時の年号。1113年7月13日~1118年4月3日。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「永久」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
えいきゅう【永久】
日本の元号(年号)。平安時代の1113年から1118年まで、鳥羽(とば)天皇の代の元号。前元号は天永(てんえい)。次元号は元永(げんえい)。1113年(天永4年)7月13日改元。天変、戦乱、伝染病などの凶事を断ち切るために行われた(災異改元)。命名の出典は不詳。この頃、都では寺僧の強訴(ごうそ)が相次ぎ、また延暦(えんりゃく)寺、興福(こうふく)寺、園城(おんじょう)寺などの僧兵が互いに激しく争っていた。
出典 講談社日本の元号がわかる事典について 情報