ウル第3王朝(読み)ウルだいさんおうちょう(英語表記)Ur 3rd Dynasty

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウル第3王朝」の意味・わかりやすい解説

ウル第3王朝
ウルだいさんおうちょう
Ur 3rd Dynasty

前 2230年頃から約1世紀続いたグティ人圧政を退けた,ウルクの王ウトゥケガルの代官ウル=ナンムにより創始された王朝 (前 2130頃~2021) 。新シュメール時代とも呼ばれる。サルゴン時代までの領土を再征服し,内政的にはグティ時代に衰退した農業や商業を復活させた。ニップール出土のかなり破損の激しい粘土板によれば,ウル=ナンムはハンムラビより約 300年早く,おそらく世界最古の法典を編纂している。次の王シュルギ時代にかけてウル,ウルク,エリドゥ,ニップールなどに多くの神殿およびジッグラトが建立され,その多くの遺跡が現存している。続くアマル=シンまでシュメール最後の栄光の時代を画した。しかしシュ=シン,イビ=シン (在位前 2046~21) の時代に遊牧民のエラム人やアモリ人が侵入し,エラム人がウルの城壁を破壊,その後イビ=シンがイランに連れ去られ王朝は滅亡した。

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