ウァレンティノス(読み)うぁれんてぃのす(英語表記)Oualentīnos

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生没年不詳。2世紀に活躍した思想家。「最大のグノーシス主義者」と評された。グノーシス主義は、救済のための知識(グノーシス)を重んじる。彼を学祖とするウァレンティノス派は、キリスト教の影響が強く、古代キリスト教会にとって真の脅威となった。彼はアレクサンドリアで教育を受け、140年ごろローマに入って約20年間活動したらしい。断片的に伝存する彼の説教や書簡、詩は、キリスト教化したグノーシス思想をのぞかせる。彼のグノーシス派は、のちに西方イタリア派と東方アナトリア派に分かれる。全体としてこの派の思想には、感覚世界に対する否定的見方とともに、世界史を一つのドラマと解釈する歴史観が出ている。

[柴田 有 2015年1月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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