脅威(読み)キョウイ

デジタル大辞泉 「脅威」の意味・読み・例文・類語

きょう‐い〔ケフヰ〕【脅威】

強い力勢いでおびやかすこと。また、おびやかされて感じる恐ろしさ。「戦争の脅威にさらされる」「脅威を与える」「脅威を感じる」
[類語]物物しい厳めしいおごそ厳粛粛粛厳然森厳荘厳荘重重厚重重しい厳として重量感どっしりずっしりずしりずしっとどっかとがっしり重み広量堂堂大度太っ腹マッシブ存在感睥睨へいげい厳しい厳格厳重厳酷厳正冷厳峻厳しゅんげん峻烈しゅんれつ苛酷険しい辛辣しんらつ粛然貫禄威厳威徳尊厳威儀権威威信威名威望名望威光威力権力勢威重圧すご威圧威風威風堂堂威容偉容英姿雄姿勇姿仰仰しいご大層息が詰まる大風呂敷を広げる

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精選版 日本国語大辞典 「脅威」の意味・読み・例文・類語

きょう‐いケフヰ【脅威】

  1. 〘 名詞 〙 強い力や勢いによっておびやかすこと。また、おびやかされること。
    1. [初出の実例]「かうして鎗中村の猩々緋と唐冠の兜は、戦場の華であり敵に対する脅威であり味方にとっては信頼の的であった」(出典:形(1919‐22頃か)〈菊池寛〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「脅威」の意味・わかりやすい解説

脅威 (きょうい)
threat
menace[フランス]
Drohung[ドイツ]

脅威にはおよそ心理学生態学,国際関係の三つの側面がある。まず心理学的には,個人の心理的な安定や統合をおびやかすような人や物,あるいは状態が存在することをいう。たとえば,親の愛情を失う,もしくは失うのではないか,という子どもの不安や〈おびえ〉などは,脅威の一例である。脅威は外在的な事象から生まれることが多いが,〈現実〉の脅威と〈知覚された〉脅威とを区別して考えねばならない。現実に存在する脅威が,つねに正確に知覚されるとは限らないからである。実際に脅威がないのに,脅威があると信じこんでしまう場合もあるし,逆に,実際に脅威があるのに,それに気づかない場合も出てくる。

 第2に,生態学の領域では,他の侵入を許さないような占有者の空間をテリトリーterritory(なわばり)と呼び,テリトリーの境界では,占有者間あるいは占有者との間で,テリトリーをめぐって攻撃と防御の行動が生ずることが知られている。テリトリーをつくり,それに気を配り,他からの侵害の脅威に対して防御するような行動のことをテリトリー行動territory behaviorという。テリトリー行動の類型や構造は動物種によってさまざまであるが,他からの侵害の脅威が防御行動のきっかけとなることはすべてに共通している。人間のテリトリー行動における脅威の知覚は,個人の生理状態,パーソナリティや対人関係,コミュニケーション,シンボルの意味などで強く影響を受ける。

 第3に,人間社会における最も顕著な例としては,戦争の原因としての脅威の問題がある。国家間,あるいは冷戦体制のもとで分極化した世界にあってはブロック間の相互的な脅威の知覚は,際限のない軍備競争のきっかけとなり,戦争の危険をいっそう高めた。他方,核超大国(アメリカソ連)における核軍備競争には,一方が核兵器による先制攻撃を仕掛ければ,他方による報復攻撃によって自国も壊滅することから,双方ともに先制の第一撃に抑制がかかるという,いわゆる核抑止nuclear deterrenceの現象も生じてきていたといわれる。しかし,たとえ核抑止が働いていようとも,偶発戦争や予防戦争までは避けられないので,まず相互的な脅威の知覚を双方において軽減し,双方が核軍縮実現していくことが平和の確立のために強く望まれた。1962年,アメリカの心理学者チャールズ・オズグッドC.E.Osgoodは,相互的な脅威の知覚とそれに根ざす相互不信を徐々に軽減する外交戦略として,心理学とコミュニケーション科学を応用した〈GRIT(グリツト)〉(graduated reciprocation in tension-reduction緊張緩和の漸進的交互行為)を提唱し,その実現のためにアメリカの一方的主導権を強く主張,国際的な注目をひいた。
抑止
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「脅威」の読み・字形・画数・意味

【脅威】きようい

おどす。

字通「脅」の項目を見る

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情報セキュリティ用語辞典 「脅威」の解説

脅威

リスクを発生させる要因のこと。

出典 教育ネットワーク情報セキュリティ推進委員会(ISEN)情報セキュリティ用語辞典について 情報

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