ウィスコンシン大学マディソン校(読み)ウィスコンシンだいがくマディソンこう

大学事典 の解説

ウィスコンシン大学マディソン校[アメリカ]
ウィスコンシンだいがくマディソンこう

アメリカ中西部ウィスコンシンの州都マディソンに所在し,州立研究大学の盛衰を表徴しつつある旗艦校。創設こそ1848年と州立大学の多くに遅れたが,19世紀末から,巨大資本による自然と中小企業・労働者の搾取から州を保護するため,キャンパス州境まで拡張する方針を提唱し,全米の注目を浴びた。州の自然と政治・経済の総体を学問,とくに社会科学の実験室と見なして全学規模で参画・研究し,その成果を州民全体に還元する新しいスタイルを創出した。他方,カリフォルニア大学とミシガン大学等とともにアメリカ大学協会を創設し,20世紀の研究大学の発展を牽引した。過去の半世紀,各州の財政難から危機の渦中にある州立研究大学の中で,かつては州と特別に緊密な関係を保持したウィスコンシン大学は現在,他大学に先がけて世界水準からの脱落の可能性に直面し,再び全米の注目を集めている。卒業生に歴史家のフレデリック・ジャクソン・ターナーや社会学のC. ライト・ミルズがいる。2014年現在の学生数4万3000。
著者: 立川明

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android