エオジン好性腺腫(読み)エオジンこうせいせんしゅ(その他表記)eosinophilic adenoma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エオジン好性腺腫」の意味・わかりやすい解説

エオジン好性腺腫
エオジンこうせいせんしゅ
eosinophilic adenoma

好酸性 (下垂体) 腺腫ともいう。脳の下垂体にできる腫瘍の一つで,大部分良性である。腺腫 (アデノーマ) とは一般に腺上皮細胞から発生する良性の腫瘍をいい,腺腫の細胞質内にエオジンなどの好酸性色素によって染色される顆粒を認めるためこの名がある。下垂体腫瘍の大部分を占めるのは,嫌色素性腺腫だが,エオジン好性腺腫は下垂体腫瘍全体の 10~15%を占めている。嫌色素性腺腫に比べて発育は緩慢。進行すると下垂体機能低下症を起し,疲れやすい,インポテンツ,無月経などを訴える。また,この腺腫は成長ホルモンあるいはプロラクチンを分泌すると考えられ,先端巨大症,下垂体巨人症,乳漏症 (高プロラクチン血症) ,クッシング症候群などを起す。さらにはこの腺腫はトルコ鞍上に発育するため,増大して神経を圧迫するようになると視野や視力障害などの症状が出現するが,現在ではエオジン染色性とホルモン分泌との間には明らかな相関関係は存在しないといわれている。治療法は腺腫の外科的摘出術後の放射線照射による。なお類似の病名に,耳下腺や気管支腺に発生する酸好腺腫 (オンコサイトーマ) がある。

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