改訂新版 世界大百科事典 「オイラーの方程式」の意味・わかりやすい解説
オイラーの方程式 (オイラーのほうていしき)
Euler's equation
y=y(x)が未知関数であって,x,y,y′の関数F(x,y,y′)が与えられているとき,の値を最小にする問題(変分法)を考える。ただし,未知関数y(x)は境界条件のy(x0)=y0,y(x1)=y1をみたすものとする。いま,端点x0,x1で0になる任意の関数z(x)とパラメーターεとをもって,関数族Yε(x)=y(x)+εz(x)を考えると,y(x)がJ[y]の最小値を与える関数ならば,εの関数J[Yε]はε=0に対して最小になる。そこで,上記の積分の式でという条件を書き上げると,境界条件と部分積分により,
となる。ここで関数z(x)の任意性により,
を得る。これをオイラーの方程式またはオイラー=ラグランジュの微分方程式という。この方程式は一般にyに関して2階の常微分方程式であるから,境界条件によって一つの解が定まる。
執筆者:伊藤 清三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報