化学辞典 第2版 「オイラー-ケルピン」の解説
オイラー-ケルピン
オイラーケルピン
Euler-Chelpin, Hans Karl August Simon von
ドイツ生まれのスウェーデンの生化学者.ベルリン大学,ゲッチンゲン大学,ビュルツブルク大学に学ぶ.はじめ物理化学を研究し,1897年S.A. Arrhenius(アレニウス)の物理学助手,1900年,ストックホルム大学の物理化学の講師となる.その後,パリのパスツール研究所で研究し,1906年ストックホルム大学の化学の教授.その後,しだいに生化学の分野に移り,1929年同大学の生化学研究所所長となった.かれの研究は,無機,有機,生化学にわたっており,とくに酸化還元酵素の構造や作用機構,コチマーゼがピリジンアデニンジヌクレオチドであることの証明,ヘキソキナーゼやジアホラーゼの発見,インベルターゼやグルタミン酸デヒドロゲナーゼの研究など,酵素化学に関するすぐれた研究が多い.これらの業績により,1929年S.A. Harden(ハーデン)とともにノーベル化学賞を受賞した.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報