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酸化還元酵素 さんかかんげんこうそoxidoreductase

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

酸化還元酵素
さんかかんげんこうそ
oxidoreductase

酵素分類の主群の一つで,酸化還元反応触媒する酵素の一群。生体内の酸化は普通,代謝物質の脱水素反応として起るが,(1) その際酸素が直接に水素の受容体となるときには,その酸素を酸化酵素 (オキシダーゼ) と呼び,(2) 色素その他の代謝物質が受容体となるときには,その酵素を脱水素酵素 (デヒドロゲナーゼ) と呼ぶ。 (3) また,ある物質の還元反応に注目する際には,特にその酵素を還元酵素 (レダクターゼ) という。 (4) 分子状酸素とある物質を直接に結合させる酵素もあって,オキシゲナーゼという。酸化酵素にはチトクローム酸化酵素,アスコルビン酸酸化酵素などがあり,脱水素酵素にはコハク酸やリンゴ酸脱水素酵素,還元酵素には硝酸呼吸での硝酸還元酵素など,オキシゲナーゼの例としてはジャガイモの切り口の黒化に関係のあるモノフェノールオキシダーゼなど,多くの種類がある。

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百科事典マイペディアの解説

酸化還元酵素【さんかかんげんこうそ】

生体内で酸化還元反応を触媒する酵素の総称。水素原子の移動を伴う反応を触媒する脱水素酵素,電子の移動を伴う反応を触媒するチトクロム類や酸化酵素,酸素原子を基質に取り込む反応を触媒する酸素添加酵素などが主なもので,いずれも生体内のエネルギー利用や代謝過程において重要な働きをする。

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栄養・生化学辞典の解説

酸化還元酵素

 オキシドレダクターゼともいう.一つの基質を酸化し,他の基質を還元する反応を触媒する酵素.

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世界大百科事典 第2版の解説

さんかかんげんこうそ【酸化還元酵素 oxidoreductase】

酸化還元反応を触媒する酵素の総称。生物が酸素を吸収して,有機化合物を酸化する現象(広く呼吸とよばれた)の研究の過程で,19世紀末以降この種の酵素が多数生体から抽出されるようになった。酸化のエネルギーの利用過程に関係する酵素だけでなく,多くのたいせつな代謝過程に関係する酵素が含まれる。生体内では種々の酸化還元反応が起きるが,それらは水素原子の移動,電子の移動,酸素原子の付加のいずれかのかたちをとる。多数の酵素はそれぞれ,電子または水素原子を与えて酸化される電子供与体(還元剤),および電子または水素原子を受け取って還元される電子受容体(酸化剤)の一方または両方に対して特異的に働く。

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大辞林 第三版の解説

さんかかんげんこうそ【酸化還元酵素】

生物体内での酸化還元反応を触媒する酵素の総称。二百種類以上が知られており、生体を構成する各種の物質の合成、生活に必要なエネルギーの獲得などに重要な役割を果たす。オキシダーゼ・デヒドロゲナーゼなど。オキシドレダクターゼ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

酸化還元酵素
さんかかんげんこうそ
oxidoreductase

生体の酸化還元反応を触媒する酵素の総称。オキシドレダクターゼともいう。細胞の生命を維持するためにはエネルギーが必要であるが、そのエネルギーを供給したり、代謝の過程で必要な物質を生成すると同時に不要な物質あるいは外来性の異物を分解するのが酸化還元反応で、その反応を触媒するのが酸化還元酵素である。生体内には種々の酸化還元酵素が存在しており、これまでに約1100種が確認されている。生体酸化還元反応の型には、水素原子の移動、電子の移動、酸素原子の付加という三つの型がある。一般的には電子の移動を伴う反応といえる。還元剤として働き、電子あるいは水素原子を与えて酸化されるものを電子供与体あるいは水素供与体とよび、酸化剤として働き、電子あるいは水素原子を受け取って還元されるものを電子受容体あるいは水素受容体とよぶ。一般に酸化還元酵素は、電子供与体および受容体の一方または両方に関して、比較的高い基質特異性をもっており、それに従って分類することができる。また、酸化還元反応の様式、性質、供与体と受容体の種類などにより、(1)脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ)、(2)還元酵素(レダクターゼ)、(3)酸化酵素(オキシダーゼ)、(4)酸素添加酵素(オキシゲナーゼ)、(5)ヒドロペルオキシダーゼ、(6)スーパーオキシドジスムターゼに分類することもできる。これら(1)~(6)の酵素群が触媒する反応と特徴は以下のとおりである。(1)脱水素酵素は酸素分子以外の分子を水素受容体として、基質から脱水素する反応を触媒する。NAD+またはNADP+を補酵素とするもの(ピリジン酵素)が多い。このほか、補欠分子族(補欠分子団)としてFADまたはFMNをもつもの(フラビン酵素)もある。(2)還元酵素は酸素分子以外の分子を水素受容体として脱水素する反応のうち、基質を還元する反応を触媒し、広義の脱水素酵素に属し、ピリジン酵素が多い。(3)酸化酵素は酸素を水素の受容体とする反応を触媒する。多くはフラビン酵素である。例外としてはチトクロムオキシダーゼがあり、これはヘムを補欠分子族とするヘミン酵素である。また、銅を必要とする銅酵素もある。(4)酸素添加酵素は分子状酸素を直接基質に渡す反応を触媒することにより、代謝物の合成と分解に関与する。(5)ヒドロペルオキシダーゼはH2O2や有機過酸化物を還元する反応を触媒することにより、過酸化物を分解する。(6)スーパーオキシドジスムターゼはスーパーオキシドラジカルを受容体とする反応を触媒することにより、スーパーオキシドを除去する。[飯島道子]
『坪井昭三他編『現代の生化学』改訂第2版(1992・金原出版) ▽八木達彦他編『酵素ハンドブック』第3版(2008・朝倉書店) ▽R・K・マレー他著、上代淑人・清水孝雄監訳『ハーパー生化学』原書28版(2011・丸善)』

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