日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
オークランド(アメリカ合衆国)
おーくらんど
Oakland
アメリカ合衆国、カリフォルニア州西部、サンフランシスコ湾に臨む港湾・工業都市。人口39万9484(2000)。サザン・パシフィック、ウェスタン・パシフィックおよびサンタ・フェ各鉄道の西のターミナルにあたる。対岸のサンフランシスコとは、ベイ・ブリッジ(1936開通)およびBART(バート)とよばれる地下鉄で連絡する。オークランド港はコンテナ輸送が盛んで(全米第2位)、港の周辺には造船・修理工場をはじめとする企業が集中している。経済的重要性の高い食品工業や、化学、ガラス、機械工業のほか、輸送用機器、ディーゼルエンジン、アルミ製品、缶詰などの製造業が盛ん。
19世紀なかばに町が創設され、フェリー、鉄道の開通により発展した。近隣の町の合併に伴って、1860年から1900年までに43倍の人口増をみた。1906年のサンフランシスコ大地震後、さらに人口が流入した。第二次世界大戦中は軍需産業が栄えたが、戦後は人口減少が目だっている。市域には美しく整備された公園が多く、とくにメリット湖公園には植物園、野鳥保護区、自然科学センター、子供のためのおとぎの国などの施設がある。市域には博物館、美術館、文化センターやスポーツ施設も多い。ミルズ・カレッジ、カリフォルニア美術工芸大学などの所在地でもある。
[作野和世]