オーデイオン(その他表記)ōdeion

改訂新版 世界大百科事典 「オーデイオン」の意味・わかりやすい解説

オーデイオン
ōdeion

ギリシア・ローマ時代,詠唱や演奏に用いられた建物。ラテン語ではオデウムodeumという。ペリクレスが前442年にアテネに建てたオーデイオンは,63.4m×41.5mの多柱広間であったが,ローマ時代のオーデイオンは内部に同心円弧状の階段式観客席を設け,劇場大差のない造り方になった。ただ,オーデイオンは原則として屋根があるため,概して劇場より小規模で,屋根を支える長方形の壁の中に収められるのが普通である。今日,劇場や映画館の名称に用いられる〈オデオンodéon〉は,これに由来する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のオーデイオンの言及

【デ・フォレスト】より

…06年,J.A.フレミングが発明した二極真空管にデ・フォレストは第三電極のグリッドを加えて,三極真空管を発明。彼は三極真空管を〈トリガー〉と名づけたが,のちにこれはオーディオンaudionと呼ばれるようになった。オーディオンは非減衰高周波振動を発生(安定した高周波の発振)するのに使われ,無線電話の発展に寄与した。…

【ギリシア美術】より

…ギリシア美術とは,クレタ・ミュケナイ美術衰退後の前1000年ころから前1世紀末ころにかけて,ギリシア本土,南イタリア,エーゲ海周辺地方などで栄えた美術をさしていう。前12世紀ころからしだいにギリシアに侵入したドリス人は,先住のアカイア人の勢力をペロポネソス半島から駆逐し,クレタ的色彩の濃いミュケナイ文明の美術を完全に破壊した。こうしてギリシアは長い文化的暗黒時代に入ったが,この期間にギリシア人は自己の民族性に根ざした新しい美術を徐々につくり始めた。…

※「オーデイオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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