オールド・ビック劇場(読み)オールド・ビックげきじょう(英語表記)Old Vic Theatre

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オールド・ビック劇場」の意味・わかりやすい解説

オールド・ビック劇場
オールド・ビックげきじょう
Old Vic Theatre

ロンドンの劇場。ロイヤル・コバーグ劇場として 1818年開設。 33年当時まだ王女であったのちのビクトリア女王の名にちなんでロイヤル・ビクトリア劇場と改称,オールド・ビックの愛称で親しまれた。 71年ミュージック・ホールになったが,80年に閉鎖。同年 E.コンスが家族向きの健全な娯楽場を目指して「ロイヤル・ビクトリア・ホール・アンド・カフェ・ターバン」と改称し,オペラシェークスピア抜粋を音楽付きで演じた。彼女の没後,姪の L.ベーリスが跡を継ぎ,シェークスピア劇の連続上演を企画,1914~23年に全作品を上演した。 40年までシーズンごとに契約の劇団をかかえ,主としてシェークスピア作品を上演。第2次世界大戦で爆撃を受けたが,50年修復再開され,レパートリーを広げて,多くの古典作品を取上げた。 53~58年 M.ベントールの「5ヵ年計画」により,シェークスピアのファースト・フォリオ (初版本) による 36作品を上演。 63年劇団は解散され,専用の劇場をもたないナショナル・シアターの臨時の本拠として,76年まで使用された。 77年以降,財政難に陥り閉鎖されたこともあるが,現在は改装され,再び伝統的なストレート・プレイ (せりふ劇) を上演している。

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