ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベーリス」の意味・わかりやすい解説
ベーリス
Bayliss, Sir William Maddock
[没]1924.8.27. ロンドン
イギリスの生理学者。ロンドンのユニバーシティ・カレッジで教えはじめ (1888) ,同校の生理学教授 (1912) 。ここで E.スターリングに出会い,1890年代に,血管圧,毛管圧,腸の神経分布の研究をはじめ,多くの重要なテーマに共同で取組んだ。とりわけ有名なものは,セクレチンの発見と命名 (1912) で,彼らはこの新しいタイプの生体調節を行う物質一般に対してホルモンと名づけた。酵素に関する研究も行い,腸液によるキモトリプシンからトリプシンへの活性化を明らかにし,また,酵素反応速度論を展開して,L.ミハエリスと M.メンテンの理論 (13) の下準備をした。第1次世界大戦中,アラビアゴムを添加してリンゲル液の性能を高める研究を行い,負傷した兵士たちの救命に効果を発揮した。『一般生理学』 Principles of General Physiology (15) はすぐれた教科書として広く読まれた。
ベーリス
Baylis, Lilian Mary
[没]1937.11.25. ロンドン
イギリスの劇場経営者。伯母 E.コンスを助けてビクトリア劇場を経営。 1912年同劇場を引継いでオールド・ビック劇場と改称し,14~23年のシェークスピア全作品の上演をはじめとして,すぐれた演劇を提供した。また 31年にサドラーズ・ウェルズ劇場を入手して,オペラとバレエのための劇場として再建。
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