カサル(読み)かさる(英語表記)Julián del Casal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カサル」の意味・わかりやすい解説

カサル
かさる
Julián del Casal
(1863―1893)

キューバ詩人一家破産により大学を中退、役所勤めをしたが、新聞紙上でスペイン総督を攻撃して失職結核のため夭逝(ようせい)した。処女詩集『風にそよぐ葉』(1890)はロマン主義の色が濃いが、第二詩集『雪』(1892)では象徴主義と高踏主義の諸要素を結合ペシミズムを強める。遺作の、散文を含む第三詩集『胸像叙情詩』(1893)は、詩形が刷新されるなど、近代主義の頂点に達している。

[野谷文昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android