キオストロ(その他表記)chiostro

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キオストロ」の意味・わかりやすい解説

キオストロ
chiostro

建築形式の一種。閉鎖された場所,禁域などの意味をもつラテン語のクラウストラム claustrumを語源とするイタリア語。英語ではクロイスター cloister。俗世間と遮断するという意味から,修道院をさすようになったが,狭義には,修道院の中庭正方形に囲む列柱廊をいう。古代ローマの,邸宅建築のペリステュルムやバシリカ式聖堂建築のアトリウム起源をもつとする説もあるが,比較的多くの独立した小室を必要とする修道院建築には,中庭を中心に四方に部屋を分散し,なおかつ回廊によってつながっているこの建築形式が適するものとして発展した。中庭の中心には井戸や噴泉が設けられているのが普通で,回廊や各室の壁は壁画で飾られていることが多い。フィレンツェのサン・マルコ聖堂のキオストロはアンジェリコの壁画によって有名。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android