クウェート(市)(読み)くうぇーと(英語表記)Kuwait

翻訳|Kuwait

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クウェート(市)」の意味・わかりやすい解説

クウェート(市)
くうぇーと
Kuwait

クウェート国の首都。イラクバスラから南へ約130キロメートル、クウェート湾の南岸に位置する天然の良港。人口は30万5964(1998推計)。18世紀初頭にアラビア半島内部からアナイザ人が移住して建設した。18世紀後半には、ペルシア湾岸の中継(なかつぎ)貿易漁業、真珠採集、ダウという名の小さなアラビア風帆船の造船業などで栄えた。19世紀にはドイツがベルリン―バグダード間の鉄道の終着駅としてクウェートを考えたが、イギリスと保護条約を結ぶことによってこの計画を拒否した。第二次世界大戦後はブルガン油田をはじめとする石油開発で急速に発展した。その変貌(へんぼう)ぶりは砂漠の中に忽然(こつぜん)と現れた超近代都市といわれる。近郊には近代設備のある石油積出し港アハマディや、ペルシア湾最大といわれるシュアイバ工業地帯などがある。

[原 隆一]

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