クエリョ(英語表記)Gaspar Coelho

改訂新版 世界大百科事典 「クエリョ」の意味・わかりやすい解説

クエリョ
Gaspar Coelho
生没年:1527か31-90

イエズス会の初代日本準管区長。ポルトガル出身。1556年インドで入会し72年(元亀3)来日。のち日本三布教区の一つである下(しも)の地区長を務め,81年(天正9)巡察師バリニャーノにより日本準管区長に任命された。86年大坂城に豊臣秀吉を訪ね,翌年彼の九州征伐凱旋を祝って博多に赴いたが伴天連追放令を突きつけられ,平戸で善後策協議のため宣教師会議を開いた。マニラへ日本派兵を要請するなどの軽挙が目だった。加津佐死没
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクエリョの言及

【キリシタン】より


[バリニャーノの改革]
 巡察師バリニャーノはマカオ市との間に生糸貿易参加に関する契約を結んで日本布教の財源確保に努めたのち,79年来日した。彼は日本イエズス会を準管区に昇格させ,これを下(しも)・豊後・都の3布教区に分けて,クエリョを準管区長に任じた。布教の強化・拡充のために日本人修道者・司祭養成の必要性を痛感して教育機関(コレジヨセミナリヨノビシアド)を設け,日本の国情に即した布教を模索して日本文化への適応を積極的に進めた。…

※「クエリョ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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