化学辞典 第2版 「ケトヘキソン酸」の解説
ケトヘキソン酸
ケトヘキソンサン
ketohexonic acid
hexulosonic acid.C6H10O7(194.14).ケトヘキソースの炭素鎖の末端のいずれか一方が,カルボキシル基となった構造をもつもので,ケトン基をもった炭素6個のアルドン酸誘導体ともみなせる.2-ケト酸と5-ケト酸がよく知られている.2-ケト-D-グルコン酸が海草の多糖(carrageenan)に含まれている.ある種のバクテリアは,ヘキソースやアルドヘキソン酸を酸化して2-ケト酸または5-ケト酸を収率よくつくるので,合成に利用される.たとえば,Pseudomonas属やAcetobacter suboxydransはD-グルコースを酸化して,それぞれ2-ケトおよび5-ケト-D-グルコン酸を生じる.
2-ケト酸は2-ケトアルドースの酸化で,5-ケト酸は石灰水などによるウロン酸の異性化(たとえば,D-ガラクツロン酸→5-ケト-L-ガラクトン酸)でも得られる.2-ケト-L-グロン酸はビタミンC合成の中間体として重要である.[別用語参照]ノイラミン酸
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報