ゲオルゲ派(読み)ゲオルゲは(その他表記)George-Kreis

改訂新版 世界大百科事典 「ゲオルゲ派」の意味・わかりやすい解説

ゲオルゲ派 (ゲオルゲは)
George-Kreis

1890年代初めドイツにおいてゲオルゲの周囲に集まった詩人,芸術家,学者のサークル。ゲオルゲはやがて彼らの精神的指導者とみなされ,92年新感覚の精神的芸術を目ざす雑誌《芸術草紙Blätter für die Kunst》を創刊,ゲオルゲ派の基礎が固まる(1919まで刊行)。参加者はホフマンスタール,ジェラルディPaul Gérardy,F.グンドルフ,L.クラーゲス等。派は閉鎖的エリート集団であったが,内部は当時の文学芸術思想に開かれ,独創討論のるつぼであった。ユーゲントシュティールアール・ヌーボーのドイツ名)と派の関係は密接である。ヘルダーリンの評価と全集編さんは業績のひとつ。派の構成は一定せず,ホフマンスタール等同世代の多くはやがて意見を異にして離れ,若い人々は弟子として参加,時代の予言的指導者をめぐる指導と信従の輪を成した。〈昔はいやな事もひとりで克服したが,老いては輪に結ばれている実感なしにはざ折したに違いない〉と晩年のゲオルゲは語った。輪は魂の必要でもあった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 助広

《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...

俎上の魚の用語解説を読む