助広(読み)スケヒロ

デジタル大辞泉 「助広」の意味・読み・例文・類語

すけひろ【助広】

津田助広つだすけひろ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「助広」の意味・わかりやすい解説

助広
すけひろ
(1637―1682)

江戸初期の大坂の代表的刀匠。「そぼろ助広」の呼称のあった初代助広(河内守(かわちのかみ)国助の門人)の弟子で2代目。摂津国(大阪府)打出(うちで)村の出身で、1657年(明暦3)越前(えちぜん)守を受領(ずりょう)、67年(寛文7)大坂城代青山因幡(いなば)守に召し抱えられ、以後、津田の姓を加えて津田越前守助広を名のった。出藍(しゅつらん)の誉れ高く、井上真改(しんかい)と並んで大坂鍛刀界に覇を競った。華麗な作風で鍛は精緻(せいち)を極め、沸(にえ)深く明るく冴(さ)え、刃文は初めに丁子(ちょうじ)を得意とし、のちに新たに濤瀾刃(とうらんば)を創始して一世を風靡(ふうび)した。直刃(すぐは)もすこぶる上手で、刀身彫刻は極めてまれである。作風は養子の近江守(おうみのかみ)助直(すけなお)をはじめ、越後守(えちごのかみ)包貞(かねさだ)、一竿子忠綱(いっかんしただつな)らに影響を与えた。

[小笠原信夫]

『数田政治・森口隆次著『助広大鑑』(1980・光村推古書院)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「助広」の解説

助広(2代) すけひろ

1637-1682 江戸時代前期の刀工
寛永14年生まれ。初代助広の子(弟子とも)。大坂城代青山宗俊につかえる。よせてはかえす大波をあらわした濤瀾(とうらん)乱れの刃文を創案作刀は千六百余口(ふり)におよぶ。銘は「津田越前守助広」など。銘の書体により,作刀の前半を「角津田」,後半を「丸津田」とよぶ。天和(てんな)2年3月14日死去。46歳。摂津打出村(兵庫県)出身。通称は甚之丞。

助広(初代) すけひろ

?-1663 江戸時代前期の刀工。
はじめは播磨(はりま)(兵庫県)津田にすんだ数打ち工であったが,大坂にでて初代国助の門人となり一家をなした。「そぼろ助広」とよばれる。銘は「摂州住藤原助広」「摂州大坂住助広作」など。寛文3年11月死去。通称は弥兵衛

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百科事典マイペディア 「助広」の意味・わかりやすい解説

助広【すけひろ】

江戸時代の摂津の刀工。津田氏,通称甚之丞。濤瀾乱(とうらんみだれ)と呼ばれるはなやかな刃文を創始し,当時,江戸の虎徹(こてつ)と並び称された。楷書(かいしょ)銘のある刀を角津田,晩年の草書銘のある刀を丸津田といい,特に丸津田が尊重される。父も助広を称し,〈そぼろ助広〉と呼ばれる。

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