ゲリジム山(読み)ゲリジムさん(その他表記)Mount Gerizim

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲリジム山」の意味・わかりやすい解説

ゲリジム山
ゲリジムさん
Mount Gerizim

アラビア語ではジャバルアットゥール (山の山の意) 。パレスチナ地方中部のサマリア地方,聖書シケムの遺跡に比定されているナーブルスの南に位置する。標高 881m,北方渓谷でへだてられたエバル山 (940m) と双子山となっている。ヨルダン領であったが,1967年以降,イスラエル占領の西岸地方に属している。古くから軍事的な要衝であり,また旧約聖書では神の声が聞ける場所とされた。バビロン捕囚以後サマリア地方に出現したサマリア人が前4世紀頃山上に神殿建立。彼らはモーセの五書のみを聖書とし独自の信徒集団と儀式を維持した。サマリア人の集団は現在もナーブルス周辺にみられるが,ゲリジム山の頂上はイスラム教徒の墓域となっている。

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