シケム(英語表記)Shechem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シケム」の意味・わかりやすい解説

シケム
Shechem

ゲリジム山の東麓にあった古代パレスチナの都市。エルサレム北方約 50kmに位置する。現ナブルスの東側にあたるテルアルバラタと呼ばれる遺跡丘。 1967年以降イスラエルの占領地。第2次世界大戦後 G.ライトにより発掘された。それによると中期青銅器時代以後巨大な城壁,城門に囲まれた大都市であった。族長時代からのイスラエル人と関係が深く,イスラエル人がエジプトを出てカナンに侵入したのち,モーセの後継者ヨシュアは人々をこの地に集め,宗教連合を形成。以来宗教的に重要な位置を占めた。ソロモン死後,イスラエル王国の分離独立はシケムを舞台として行われた (列王紀上 12章) 。前 722年にアッシリアによる征服後,衰退し,新入植民と現住民の混血でイスラエルの伝承を引継いだサマリア人がゲリジム山上に聖所を築いた。前5世紀初めに破壊されたが,前4世紀終りに復興されてサマリア人の首都となった。前 128年頃ヨハンネス・ヒュルカノス1世により再び破壊されたが,ローマ人は廃虚の西側に新しい町フラウィア・ネアポリスを建設した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android