サイエントロジー(その他表記)Scientology

改訂新版 世界大百科事典 「サイエントロジー」の意味・わかりやすい解説

サイエントロジー
Scientology

1965年にアメリカで設立された新宗教。A.クローリーが結成した魔術結社OTOに所属したSF作家ハバードLafayette Ronald Hubbard(1911-86)が創設者で,55年に発表した一種の精神療法理論〈ダイアネティクスDianetics〉を教義とする。この理論は,出生以前に細胞に焼きつけられた〈エングラムengram〉と呼ばれる苦痛の記憶が人間の不幸の源であるとし,これを払拭(ふつしょく)するための複雑な治療システムを呈示するものである。70年代,アメリカ西海岸のカルト・ブームの先導役として多数の信者を獲得したが,厳格な服従関係や法外な治療費を要求する点を告発する声も高く,65年の《アンダーソン報告》をはじめ公的機関による内情調査や訴訟事件が後を絶たない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サイエントロジー」の意味・わかりやすい解説

サイエントロジー
Scientology

1950年代にアメリカ合衆国の作家ラファイエット・R.ハバードが提唱し,国際的に広がった宗教運動。本拠はフロリダ州クリアウォーター。ハバードは著書『ダイアネティックス 心の健康のための現代科学』The Modern Science of Mental Health(1950)で,人間の精神異常を分析し,それらを克服する独自の治療法ダイアネティックスを提示した。その後ダイアネティックスから離れ,人間のありようについて試みた宗教的アプローチをサイエントロジーと称し,1954年サイエントロジー教会を設立した。日本への布教は 1980年代半ばに本格的に始まった。

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