クローリー(その他表記)Aleister Crowley

改訂新版 世界大百科事典 「クローリー」の意味・わかりやすい解説

クローリー
Aleister Crowley
生没年:1875-1947

イギリスオカルト実践者。《ヨハネ黙示録》の巨獣にちなみ,みずからを〈大いなる野獣〉と称した。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに学び,魔術結社〈黄金の暁教団〉に参加したが,儀式魔術の公開をめぐって内紛を起こし,以後は独自の儀式魔術〈マギックMagick〉を追究して世界を巡り,〈銀の星〉〈テレマ僧院〉などの教団を創設した。性行為や麻薬をもその一分野としたため,20世紀の最も悪名高い魔術師と呼ばれ,モーム小説《魔術師》(1908)のモデルにも使われた。
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百科事典マイペディア 「クローリー」の意味・わかりやすい解説

クローリー

英国のオカルティスト。ケンブリッジ大学に学び,〈黄金の暁教団(ゴールデン・ドーン)〉に参加。のち脱退して,独自の魔術体系〈マギックMagick〉にもとづく儀礼魔術の実践と教団化に奔走した。S.モーム《魔術師》のモデルとして悪名が高いが,現在でもオカルトの世界ではカリスマ的存在で,根強い人気がある。
→関連項目アンガー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クローリー」の意味・わかりやすい解説

クローリー
Croly, Herbert David

[生]1869.1.23. ニューヨーク
[没]1930.5.17. ニューヨーク
アメリカの作家,『ニュー・リパブリック』誌の創始者,編集者。ハーバード大学卒業後建築雑誌の編集と寄稿に従事し,1914年『ニュー・リパブリック』誌を創刊,アメリカ人の自己満足を攻撃する論陣を張った。主著『アメリカ生活の将来性』 The Promise of American Life (1909) は T.ルーズベルトや T.W.ウィルソンに影響を与えた。晩年彼の関心は哲学,宗教問題に移った。

クローリー
Croly, George

[生]1780
[没]1860
アイルランドの詩人,小説家。「さまよえるユダヤ人」の伝説に基づく小説『サラシエル』 Salathiel (1828) のほか長詩や詩劇も書いた。

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世界大百科事典(旧版)内のクローリーの言及

【オカルティズム】より

…レビやパピュスの理論は,ユイスマンス,M.バレス,ペラダンのような文学者をはじめ,〈薔薇十字団サロン展〉に参加した画家たち(ゴーギャン,G.モロー,ナビ派など)をも魅了し,フランス象徴主義に文学的芸術的表現を見いだした。イギリスではW.W.ウェストコットがオカルト結社〈黄金の暁教団〉を組織し,D.フォーチュン,クローリー,S.L.M.メーザーズのような魔術師を傘下から生み出し,また詩人W.B.イェーツに霊感を与えた。一方,ブラバツキー夫人の神智学協会から分離したシュタイナーは,ドイツ・オーストリアを中心に人智学協会を創立,20世紀オカルティズムの一大潮流を形成した。…

【魔術】より

…総じて19世紀の魔術復活は既成社会の腐敗と混乱とに対抗した一種の退行的ユートピズムとみることもでき,その表現として儀式魔術が恰好の媒体となったと考えられる。 ところで,儀式魔術についてはセックスと麻薬を中心に据えた秘儀の系統が現代もなお力を得ており,A.クローリーをはじめ数々の教団組織者が出現している。クローリーの影響がとくに強いアメリカ西海岸では,1970年以後これら性的儀式を売りものとする反体制的なアンダーグラウンド集団が多数組織された。…

※「クローリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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