日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンキャクウオ」の意味・わかりやすい解説
サンキャクウオ
さんきゃくうお / 三脚魚
spiderfishes
deepsea tripod fishes
[学] Bathypterois spp.
硬骨魚綱ヒメ目チョウチンハダカ科イトヒキイワシ属の海水魚の総称。左右の腹びれのもっとも外側の鰭条(きじょう)と尾びれ下葉のもっとも下の鰭条が著しく伸長し、それらを三脚のようにして海底に立っているので、この名前でよばれている。イトヒキイワシ属には日本からオオイトヒキイワシ、イトヒキイワシおよびナガヅエエソの3種が知られている。オオイトヒキイワシは腹びれと尾びれが著しく伸長するが、イトヒキイワシはそれほど長くない。ナガヅエエソは両種の中間くらいである。イトヒキイワシ属の名称は、イトヒキイワシとナガヅエエソでは胸びれが著しく長く伸長することに由来する(オオイトヒキイワシではまったく伸長しない)。
本属魚類は太平洋とインド洋、あるいは大西洋の水深250~5000メートルの中深層~深海層の海底に生息する。以前、本属はイトヒキイワシ科に入れられていたが、チョウチンハダカ科に含められた。本科には日本近海からイトヒキイワシ属以外にソコエソ属のソコエソBathytyphlops marionaeがとれているが、この種は目が著しく小さく、伸長した鰭条がないなどの特徴で、イトヒキイワシ属の3種と容易に区別できる。
[上野輝彌・尼岡邦夫 2025年9月17日]

