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シコルスキーVS-300 シコルスキーブイエスさんびゃくSikorsky VS-300

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シコルスキーVS-300
シコルスキーブイエスさんびゃく
Sikorsky VS-300

近代的な実用ヘリコプタのさきがけとなった実験機。ロシア革命を逃れてアメリカ合衆国に亡命したイゴール・シコルスキーが,多くの大型飛行艇を製造したのち,1930年頃からヘリコプタの開発に着手,1939年9月 VS-300の初飛行に成功した。3枚羽根 (ブレード) の主回転翼 (ロータ) のほか,初めは三つの尾部ロータがついていた。一つはトルクを打ち消すため垂直に回り,あとの二つは水平に回って縦ゆれ,横ゆれなどの姿勢を制御することが目的であった。しかし試験飛行の結果,垂直の尾部ロータだけで十分であることがわかり,主ロータと尾部ロータ一つずつのシングル・ロータ形式,すなわちヘリコプタの普通の形状が確立した。また VS-300の主ロータは,各ブレードをちょうつがい (ヒンジ) で取り付けて,突風を受けたときの揚力の不均衡を調節したり,回転面の位置によってピッチ角を変える周期的ピッチ制御などの考案が取り入れられていた。これで飛行の安定性が増し,回転面を傾けることによって前後左右に飛べるようになった。エンジンはフランクリン 100馬力,ロータ直径 9.14m,総重量 585kg,乗員1,速度時速 64~80km,航続距離 80~120km。 VS-300はやがてR-4,R-6,S-51などの実用機へ発展した。

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