突風(読み)トップウ

デジタル大辞泉 「突風」の意味・読み・例文・類語

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関連語 周期 変動

共同通信ニュース用語解説 「突風」の解説

突風

突然吹き始め短時間で収まる強い風。積乱雲に伴う強い上昇気流で激しい渦巻きが起きた場合は「竜巻」と呼ばれ、被害は幅数十メートルから数百メートル、長さは数キロと狭い地域に集中する。他にも積乱雲から強い下降気流が吹き下ろす「ダウンバースト」などの種類がある。台風や寒冷前線に伴って発生し、10分ほどで消えることが多い。小規模な気象現象のため予測が難しい。気象庁によると、竜巻やダウンバーストは海上も含めて年に平均55件発生している。

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精選版 日本国語大辞典 「突風」の意味・読み・例文・類語

とっ‐ぷう【突風】

  1. 〘 名詞 〙 急に強く吹き出して短時間のうちにおさまる風。寒冷前線に伴って起こることが多い。急風。はやて
    1. [初出の実例]「どんな旋風も、突風(トップウ)も、恐らく斯うまで急劇に出現はして来まい」(出典:金(1926)〈宮嶋資夫〉一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「突風」の意味・わかりやすい解説

突風
とっぷう

それまで吹いていた平均風速と比較し、突然、風の強くなる現象をいう。ほかに、はやて、迅風(じんぷう)、陣風などの呼称がある。

 アメリカではこの突然に風が変わるときの境を20秒以内とし、この場合をガストgust、20秒以上の場合をスコールsquallとよんで区別している。また突風としては毎秒8メートル以上の場合だけを考え、その場合に20秒以内に毎秒4~5メートルの風速を増せば、この場合を突風とよんでいる。

 突風は、地上を吹く風ほどおこりやすい。その原因は、(1)地物などによる地表凹凸によって、地物の上空を流れる気流に機械的な乱れが生ずること、(2)気温および風速の垂直方向の変化率の大小によって垂直方向の気流に転倒がおこることにある。突風とは反対に風が突然、無風状態になることをラルlullまたはネガティブ・ガストnegative gustという。地物の受ける風圧はラルの状態からしだいに風速を増し、ガストの状態に達するまでの間にもっとも強くなる。

根本順吉

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「突風」の意味・わかりやすい解説

突風
とっぷう
gust

急に吹く強い。短時間でやむが繰り返すこともある。前線通過積乱雲により起こることが多い。また,小規模なものは,日射により暖められた地面付近の空気によって局所的に大気の状態が不安定となり,起こることもある。海上で突風が起こると小型船舶などが遭難することがある。

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百科事典マイペディア 「突風」の意味・わかりやすい解説

突風【とっぷう】

疾風,陣風,早手(はやて)とも。突然吹き出す強風で,数分間続いてのち収まるもの。発達しつつある低気圧に伴う寒冷前線に多く発生し,雷やにわか雨を伴うこともある。風の息と異なる点は,変動の周期が長く,持続性が大きいこと。

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