シャルパンチエ(Gustave Charpentier)(読み)しゃるぱんちえ(英語表記)Gustave Charpentier

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シャルパンチエ(Gustave Charpentier)
しゃるぱんちえ
Gustave Charpentier
(1860―1956)

フランスの作曲家。おもに声楽オペラ分野で活躍。モーゼル県デューズの生まれ。リール音楽院に学んだのち1881年パリ音楽院に入学、一時ボヘミアン的生活のため勉強から離れたが、85年マスネの作曲クラスに入り、2年後にローマ大賞を獲得した。ローマ留学中の管弦楽曲イタリアの印象』(1887~89)と、留学中に着手したオペラ『ルイーズ』(1889~96)は彼の代表作となった。とくに1900年にオペラ・コミック座で初演された『ルイーズ』は、彼自身の経験に基づいてパリの場末の日常生活を巧みに表現した点でベリズモ・オペラに先駆けており、大成功を博した。1912年マスネの後任としてアカデミー会員に選ばれ、13年にオペラ第二作『ジュリアン』を発表したが、以後作品はなく、パリに没した。

[船山信子]

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