ルイーズ(読み)るいーず(英語表記)Louise

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルイーズ」の意味・わかりやすい解説

ルイーズ
るいーず
Louise

フランスの作曲家ギュスターブ・シャルパンチエが、自らの台本をもとに1900年に完成した四幕の歌劇パリの労働者街を舞台に、貧しいお針子ルイーズと詩人ジュリアンの恋を描き、ジュリアンとルイーズの両親との確執を通じて、自由にあこがれる革新性と、それを恐れる保守的な考え方との葛藤(かっとう)が表現されている。シャルパンチエはこの作品を「音楽物語」と名づけたが、これは、ゾラに傾倒していた彼が、現実の社会の偽らぬ姿を舞台に持ち込もうと意図した結果で、フランス・オペラに初めて自然主義の考えを導入した点で重要な作品。動機を人物や情況と結び付けたいわゆるライトモチーフの使用により、音楽的にも高い密度が保たれている。完成の同年パリのオペラ・コミック座で行われた初演は大成功で、作曲者の生前だけでも1000回近く上演された。日本初演は1966年(昭和41)オペラ青年グループによる。

[三宅幸夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「ルイーズ」の解説

ルイーズ

フランスの作曲家ギュスターヴ・シャルパンティエのフランス語による全2幕のオペラ(1900)。原題《Louise》。パリを舞台に貧しい娘と詩人の恋を描いた作品。

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