ジェマー・イスラミア(読み)じぇまーいすらみあ(その他表記)Jemaah Islamiyah

翻訳|Jemaah Islamiyah

知恵蔵 「ジェマー・イスラミア」の解説

ジェマー・イスラミア

国際テロ組織アルカイダと関係があるとみられるイスラム過激派集団。JIは「イスラム共同体」を意味する。2002年10月のインドネシアバリ島でのディスコ爆破、03年8月のジャカルタでの米国系高級ホテル爆破、04年9月のジャカルタ・豪州大使館前での自爆、05年10月のバリ島・レストラン自爆などのテロ事件はJIの犯行とみられている。バリ島は外国人観光客らに人気がある開放的なリゾートで、2度のテロで日本人や欧米・豪州人らが死傷。地元民も多数が犠牲になり、観光産業も打撃を被った。この間、精神的指導者とされるインドネシア人のアブ・バカル・バアシル師をはじめ計200人を超す活動家らが各地で逮捕された。国連安保理は03年、JIをテロ組織に認定した。東南アジアのイスラム教徒は大半が穏健派だが、JIは一部の過激な原理主義をベースに1990年代前半、マレーシアで結成。寝食を共にしてイスラム教育を受けるプサントレン(寄宿塾)などの一部に反米感情が広がった。活動拠点はタイ南部を含むマレー半島、インドネシア、サバ(マレーシア)、フィリピン南部などで、この一帯に「イスラム国家」を建設することが目的とされる。シンガポールや豪州の情報当局によると、潜入潜伏資金・武器調達ルートはインドシナ半島や豪州にも拡散している。ただ、JIが組織的なネットワークを形成している確証はない。各地の活動家が緩やかに連携しているのが実態とみられる。バアシル師は05年のインドネシア独立記念日の恩赦で禁固2年6カ月の刑が短縮、06年6月に出所した。

(大野拓司 朝日新聞記者 / 2007年)

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デジタル大辞泉プラス 「ジェマー・イスラミア」の解説

ジェマー・イスラミア

《Al-Jama'ah Al-Islamiyyah》宣教と聖戦(ジハード)によって、東南アジア地域にイスラム国家を樹立することを目的に掲げるインドネシアの武装組織。1993年結成。政府関係者やキリスト教徒、外国権益などに対する数多くのテロを実行。2002年、2005年の2度にわたるバリ島でのナイトクラブ爆破事件、2009年のジャカルタの米国系ホテルに対する同時多発爆破テロ事件などでは、邦人も犠牲になっている。アルカイダとの関係も指摘されている。

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