スギカミキリ(読み)すぎかみきり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スギカミキリ」の意味・わかりやすい解説

スギカミキリ
すぎかみきり / 杉天牛
[学] Semanotus japonicus

昆虫綱甲虫目カミキリムシ科に属する昆虫。本州四国、九州に分布し、台湾の記録もある。体長12~27ミリメートル。黒褐色でやや平たく、各上ばねに2黄褐紋があるが消失したものもある。雄の触角は体と同長だが、雌では短い。成虫は3~5月に現れ、スギヒノキ枯れ木、倒木、生木の枯れ枝に集まる。幼虫はそれらの皮下、ついで内部を食害する。成虫は樹皮下で越冬する。本種はヒメスギカミキリとともにスギ類の害虫として知られているが、被害は樹皮下や枯れた部分がおもなので、比較的軽いという。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スギカミキリ」の意味・わかりやすい解説

スギカミキリ
Semanotus japonicus

鞘翅目カミキリムシ科。体長 12~27mm。体は扁平,黒色で触角と肢は赤褐色を帯び,各上翅には2個の黄褐色紋がある。触角は雄では翅端を越えるが,雌では短い。前胸背は丸く,中央に平滑部がある。成虫は春に出現。スギとヒノキの大害虫で,幼虫は材中に穿孔食害する。本州,四国,九州,台湾に分布する。

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世界大百科事典(旧版)内のスギカミキリの言及

【カミキリムシ】より

…胸脚を欠くものが少なくない。イチジクにつくキボシカミキリ,ミカン類につくゴマダラカミキリ,タケ類につくベニカミキリ,スギ類につくスギカミキリやヒメスギカミキリ,キク類の茎に潜るキクスイカミキリなど著名な害虫が多い。琉球諸島ではイエカミキリの幼虫が家屋に被害を与えている。…

※「スギカミキリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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