スチュアート(Douglas Alexander Stewart)(読み)すちゅあーと(英語表記)Douglas Alexander Stewart

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

スチュアート(Douglas Alexander Stewart)
すちゅあーと
Douglas Alexander Stewart
(1913―1985)

オーストラリアの詩人劇作家、批評家。ニュージーランド北島エルサム生まれ。第一詩集『緑のライオン』(1935)刊行。1938年、『ブリティン』誌記者となり、シドニーに移住。1940年より文芸欄を担当する( ~1961)。第一詩集に続いてニュージーランドの風景を賛美した第二詩集『白い叫び』(1939)はロンドンで刊行、続いて第二次世界大戦時の『ある航空兵挽歌(ばんか)』(1940)、『無名戦士に捧(ささ)げる小曲』(1941)などはシドニーで出版。叙情詩人の文名を得たが、ついで口語を大胆に用いた歴史伝説に基づくラジオ向けの詩劇『ネッド・ケリー』(1943)、『雪上の火』『黄金の恋人』(ともに1944)などを上演、放送して大衆の喝采(かっさい)を得た。ほかに最後の詩集『ラザフォード』(1962)、ついで『詩集1936―1967』(1967)、『ブリティン誌の作家たち』(1977)などの評論、短編集に『赤毛の少女』(1944)がある。また多くの新人を紹介、『昔の奥地民謡及び植民地時代の押韻詩集』(1957)の刊行など、この国の文壇でもっとも幅広く活躍した。

[平松幹夫・古宇田敦子]

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