ストロンチウム鉱物(読み)ストロンチウムこうぶつ(英語表記)strontium mineral

改訂新版 世界大百科事典 「ストロンチウム鉱物」の意味・わかりやすい解説

ストロンチウム鉱物 (ストロンチウムこうぶつ)
strontium mineral

ストロンチウムを含む鉱物総称。代表的な鉱物として天青石ストロンチアン石strontianiteがあり,それぞれストロンチウムの原料鉱物である。いずれも比重の大きいこと(3.6~4.0)が特徴である。それぞれの鉱物の理論化学組成は,天青石ではSrO56.4%,SO343.6%,ストロンチアン石ではSrO70.1%,CO229.9%となるが,多くの場合SrにBa,Ca,Mgなどが固溶する。また混合物として少量のSiO2石英に起因する)などがみられる。またこれとは逆にストロンチウムと地球化学的にその存在の類似するバリウム,カルシウムなどを主成分とする鉱物,すなわち重晶石,硬セッコウネフェリンなどの微量成分として含有されることも知られている。ときには重晶石からバリウムを製造する工程でストロンチウムの抽出を行う場合もある。日本では鉱物標本として天青石が産出したことがあるが,資源としてのストロンチウム鉱物の存在は知られていない。ただし温泉水よりストロンチウムが検出された例はある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android