日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストロンチアン石」の意味・わかりやすい解説
ストロンチアン石
すとろんちあんせき
strontianite
天青石とともにもっとも普通のストロンチウムの鉱物。ストロンチアン鉱という名称も用いられる。低温熱水鉱脈鉱床の脈石鉱物として、また石灰質堆積(たいせき)岩やカーボナタイト中に産し、変成層状マンガン鉱床から微量を産することもある。自形は双晶による六角板状、柱状、錐(すい)状などであるが、比較的まれである。日本では東京都奥多摩町白丸鉱山の層状マンガン鉱床中から微量を産し、その後高知県佐川町の石灰岩採掘場からも発見された。英名は原産地スコットランド北西部アーガイルArgyll地方のストロンチアンStrontianにちなむ。元素ストロンチウムはこの鉱物から初めて発見された。
[加藤 昭]
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