天青石とともにもっとも普通のストロンチウムの鉱物。ストロンチアン鉱という名称も用いられる。低温熱水鉱脈鉱床の脈石鉱物として、また石灰質堆積(たいせき)岩やカーボナタイト中に産し、変成層状マンガン鉱床から微量を産することもある。自形は双晶による六角板状、柱状、錐(すい)状などであるが、比較的まれである。日本では東京都奥多摩町白丸鉱山の層状マンガン鉱床中から微量を産し、その後高知県佐川町の石灰岩採掘場からも発見された。英名は原産地スコットランド北西部アーガイルArgyll地方のストロンチアンStrontianにちなむ。元素ストロンチウムはこの鉱物から初めて発見された。
[加藤 昭]
strontianite
化学組成SrCO3の鉱物。直方晶系,空間群Pmcn, 格子定数a0.513nm, b0.842, c0.609, 単位格子中4分子含む。柱状・針状・繊維状・粒状結晶の集合。無~白~灰色,黄,黄褐,緑,赤色など帯びる。透明~半透明,ガラス~樹脂光沢。劈開{110}にほぼ完全,{021}・{010}にわずか。硬度3.5, 比重3.79。薄片では無色,屈折率α1.516, β1.664, γ1.666, 2V(-)~7°,光分散v>r弱。Srの位置はCa, Ba, Pbと置換し,同構造のあられ石グループを形成。しかし,互いに完全な固溶体はできない。低温生成の鉱物で,石灰岩・泥灰岩などの中に脈やノジュールをなす。金属鉱脈の脈石としても広く産する。日本では,東京都西多摩郡奥多摩町白丸鉱山のマンガン鉱床の母岩中や高知県の鳥巣石灰岩中に少量産した。名称は原産地スコットランド,ArgyllshireのStrontianに由来。
執筆者:吉井 守正・松原 聰
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
…周期表元素記号=Sr 原子番号=38原子量=87.62地殻中の存在度=375ppm(14位)安定核種存在比 84Sr=0.56%,86Sr=9.86%,87Sr=7.02%,88Sr=82.56%融点=769℃ 沸点=1384℃比重=2.6(20℃)電子配置=[Kr]5s2 おもな酸化数=II周期表第IIA族に属するアルカリ土類金属元素の一つ。スコットランドのストロンチアンに産する鉱物ストロンチアン石(炭酸ストロンチウムSrCO3を主成分とする)から,1790年にイギリスのクローフォードAdair Crawford(1748‐95)によって発見されたのでこの名がある。融触塩の電気分解によって,金属単体としてはじめて取り出したのはH.デービー(1808)である。…
…ストロンチウムを含む鉱物の総称。代表的な鉱物として天青石とストロンチアン石strontianiteがあり,それぞれストロンチウムの原料鉱物である。いずれも比重の大きいこと(3.6~4.0)が特徴である。…
※「ストロンチアン石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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