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スペクトラム拡散通信方式

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

スペクトラム拡散通信方式

データ通信において、送信するべきデータを変調して通信媒体上へ送出する場合、元のデータの信号レートと変調方式に応じて、通信媒体上である一定の周波数帯域を占有する。このとき、周波数別に見た信号エネルギーの強度の分布状態をスペクトラムといい、通常は横軸に周波数、縦軸に信号強度をとった2次元グラフで表す。従来の通信技術では、なるべく必要な周波数帯域幅を抑え(狭帯域化)、限られた周波数資源の有効利用を図るように進歩してきた。しかし狭帯域化すればするほどノイズ耐性(通信路の雑音に対する耐久性)や耐干渉性(他チャンネルの信号などによって信号が歪むことに対する耐性)などが劣化し、結果としてデータの再送などによって通信路の帯域がよけいに消費されてしまうという事態も生じていた。そこで、まったく逆にデータの冗長度を大幅にあげて(エラー訂正コードなどを追加するなどして)、逆に広帯域化によって、(全体的に見て)周波数資源の有効利用を図るという方式が考えられた。これをスペクトラム拡散通信方式という(SS方式と呼ばれることもある)。非常に広帯域のスペクトラムを占めるが(通常、数百KHz~数MHzの帯域幅を持つ)、その分スペクトラムの密度は薄く、同じ周波数帯域で他の通信が行なわれていてもほとんど影響を受けなくなる。たとえ衝突しても、データに付加した強力なエラー訂正コードでデータを修正する。スペクトラム拡散通信方式では広い周波数帯域に微弱なスペクトルを分散させるので、次のような特徴を持つ。(1)同一帯域上で多くの通信が同時並行的に行なえる、(2)他局に対する影響が少ない(ほとんどない)、(3)ノイズや他ノードからの影響をほとんど受けない、(4)信号内容を追跡、検出するのが困難なので、秘匿性が高い。代表的なスペクトラム拡散通信方式には、直接拡散方式や周波数ホッピング方式などがある。直接拡散方式とは、信号データにある帯域幅をもった擬似乱数系列を乗算して、データ列自身の周波数帯域を広げ、それを変調して送信する方法である。周波数ホッピング方式とは、1チャンネルあたりの使用周波数帯域幅は比較的狭いながらも、非常に短い時間間隔(0.1秒程度)でチャンネルを変えながら、データを送信する方式である。

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