セミパラチンスク核実験場

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セミパラチンスク核実験場

中央アジアカザフスタン北東部にある旧ソ連最大の核実験場で、広さは四国とほぼ同じ約1万8500平方キロ。1949年8月の旧ソ連初の核実験以降、89年までに計456回の核実験が秘密裏に行われた。地上空中での爆発実験により、放射性物質飛散。約150万人が被ばくしたとされる。旧ソ連崩壊に伴い、91年に閉鎖された。(共同)

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セミパラチンスク核実験場【セミパラチンスクかくじっけんじょう】

1949年8月29日のソ連最初の原爆実験から1990年10月19日まで,467回の核実験が行われたカザフスタン北東の州セミパラチンスク(1990年代後半セメイに改称)の核実験場。旧ソ連の核実験714回の約65%が同地で行われた。1980年代末ころから,周辺住民の中に癌患者や先天異常児の出産などが多発していることが明らかになり,白血病を含む癌による死亡率はカザフスタンのほかの地区より5倍も高いとされ,10ミリシーベルト以上の放射能を浴びた人は約50万人にのぼるという。1989年9月,カザフ共和国の人びとが核実験反対のグループ〈ネバダ・セミパラチンスク運動〉(NSM)を結成,その3年後には旧ソ連国内に16支部,ベルリンにも1支部をもつ大きな反核運動団体に発展し,報告書《セミパラチンスク実験場概況》を発表している。1995年5月,地下核実験地に放置されていたプルトニウムが永久埋葬され,カザフスタンは非核国となった。

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