ソビエト・フィンランド戦争(読み)そびえとふぃんらんどせんそう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ソビエト・フィンランド戦争
そびえとふぃんらんどせんそう

第二次世界大戦中、二度にわたってソ連フィンランドとの間で戦われた戦争。ソ・フィン戦争ともいう。

[藤本和貴夫]

第一次

(1939.11~40.3) 「冬戦争」ともよばれる。国境線に近いレニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)の安全保障を求めてなされたソ連の領土交換要求を、フィンランドが拒否した結果起こった。ソ連は国境紛争を理由にフィンランド領に侵入、フィンランド軍もこれに対し善戦したが、1940年3月、モスクワ講和条約が締結された。フィンランドはソ連にカレリア地峡など領土のおよそ1割を割譲した。ソ連はこの侵入を非難され、1939年12月、国際連盟から追放された。

[藤本和貴夫]

第二次

(1941.6~44.9) 「継続戦争」ともいう。ナチス・ドイツの対ソ戦開始と連動して始まり、フィンランド軍はカレリア地峡に進出した。しかし、1943年初めのスターリングラード(現ボルゴグラード)攻防戦におけるドイツ軍の敗北以降、フィンランドの立場は悪化、44年6月、ソ連軍の大反攻にあって退却、9月両国は休戦協定を結んだ。その結果、フィンランドは、ボルッカラウッドとその周辺地域をソ連に海軍基地として貸与するほか、3億ドル(のち減額)の賠償金支払いなどをソ連に約束した。

[藤本和貴夫]

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