日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイ・カップ」の意味・わかりやすい解説
タイ・カップ
たいかっぷ
Tyrus Cobb
(1886―1961)
アメリカのプロ野球選手(右投左打)。アメリカ野球史を飾る名選手である。1905年から28年まで、最後の2年間(フィラデルフィア・アスレチックス、現オークランド・アスレチックス)を除き大リーグ(メジャー・リーグ)のデトロイト・タイガースで22年間、外野手として活躍した。打撃と走塁において数々の記録をつくり、その闘志あふれる走塁に多くの逸話を残した。首位打者12回、終身打率3割6分7厘の両記録は今日でも大リーグ最高である。野球のみならず、記念病院への寄付、教育基金の設定など社会福祉にも貢献した。彼の自伝『My Life in Baseball』は教養書としても高く評価されている。
[神田順治]
24年間の通算成績は、出場試合3035、安打4191、打率3割6分7厘、本塁打117、打点1938、盗塁892。獲得したおもなタイトルは、首位打者12回、最多安打8回、本塁打王1回、打点王4回、盗塁王6回、MVP1回。1936年に野球殿堂入り。
[編集部]
『内村祐之訳『タイ・カップ自伝――野球王タイ・カップ』(1963・ベースボール・マガジン社)』