ダルフール紛争(読み)だるふーるふんそう

知恵蔵の解説

ダルフール紛争

国連が「世界最悪の人道危機」と呼ぶスーダン西部ダルフール地方の紛争は、2008年、発生から丸5年を迎えた。 紛争は03年2月に勃発した。アラブ系中心の政府に不満を募らせたダルフール地方の黒人系住民が「スーダン解放軍」(SLA)、「正義と平等運動」(JEM)など反政府勢力を組織して蜂起した。政府軍を支援するアラブ系民兵「ジャンジャウィード」の攻撃や病気、食糧不足などによる死者は20万人以上とされる。約250万人が国内避難民キャンプや隣国チャドの難民キャンプで避難生活を強いられている。 反政府勢力の一部と政府は06年5月に和平合意した。しかし、この合意に加わらなかったSLA分派やJEMは、新たな分派をつくったり、新組織を結成したりして、離合集散を繰り返した。07年10月、リビアのカダフィ大佐の仲介で同国シルトで再開した和平協議には、10派以上とされる反政府勢力のうち少なくとも6派が参加したが、SLAとJEMの主流派が欠席したため中断した。 ダルフールにはアフリカ連合(AU)の停戦監視団約7000人が駐留していたが、資金や機材の不足で十分な活動ができていなかった。治安の改善に向け、国連安保理は06年8月に最大3万人規模のPKO派遣を決議。派遣に反対だったバシル大統領が、中国などの説得で受け入れに転じたことを受け、07年7月、国連安保理は2万6000人規模のAU・国連合同のPKO「UNAMID」派遣を決議した。UNAMIDは08年初頭から活動を始めたものの、主体となるアフリカ各国の部隊の訓練や機材が不足しているため、完全に展開するには半年以上かかる見通しだ。日本は国連の分担金比率に従って、このPKOに初年度は500億円を支出する。

(望月洋嗣 朝日新聞記者 / 2008年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ダルフール紛争

スーダン西部のダルフールで2003年、アラブ系政府に対抗し、黒人反政府組織が蜂起。アラブ系民兵らが黒人の村を無差別に襲撃するなど対立が激化し、約30万人が死亡した。紛争は未解決のままだ。

(2013-10-21 朝日新聞 朝刊 1外報)

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デジタル大辞泉の解説

ダルフール‐ふんそう〔‐フンサウ〕【ダルフール紛争】

スーダン西部のダルフール地域で2003年に発生した紛争。政府が支援するアラブ系民兵組織と、非アラブ系の反政府勢力との抗争が激化。約20万人が死亡し、約200万人が難民となった。
[補説]国際的な人道支援活動が行われ、2007年からアフリカ連合国連ダルフールミッション(UNAMID;African Union-United Nations Mission in Darfur)が治安維持等のため駐留している。2013年以降は、政府・反政府勢力間の対立に加えて、部族間の抗争が激しくなり、政府やUNAMIDが調停を試みている。

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