無形文化遺産保護条約(読み)ムケイブンカイサンホゴジョウヤク

デジタル大辞泉 「無形文化遺産保護条約」の意味・読み・例文・類語

むけいぶんかいさんほご‐じょうやく〔ムケイブンクワヰサンホゴデウヤク〕【無形文化遺産保護条約】

《「無形文化遺産保護に関する条約」の略称》世界各地の無形の伝統文化遺産を保護し、受け継ぐための条約。2003年ユネスコ総会で採択、2006年4月発効。→無形文化遺産
[補説]有形文化遺産自然遺産複合遺産を保護するために1972年に成立した世界遺産条約の無形文化遺産版といわれる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「無形文化遺産保護条約」の意味・わかりやすい解説

無形文化遺産保護条約【むけいぶんかいさんほごじょうやく】

2003年にユネスコ総会で採択され2006年に発効した,無形の文化遺産を保護するための条約。日本は2004年に批准。保護の対象は,口承文芸などの伝統と伝達手段としての言語,芸能,社会的慣習儀式,祭礼行事,伝統工芸技術など多岐にわたり,関連する器具,物品,加工品,文化的空間も含まれる。これらは〈世界無形遺産〉と通称されることもある。加盟国は,無形文化財の保護,発展,振興のために,政策措置,研究・調査の促進,訓練・伝承や鑑賞の場の確保などに努めなければならない。保護措置には,加盟国の拠出金を中心とする〈無形遺産の保護のための基金〉が充てられる。なお,条約に先立ちユネスコは,2001年,2003年,2005年の3回にわたり〈人類の口承及び無形遺産に関する傑作の宣言〉を行い,計90件を人類の無形文化遺産の代表として,リストを作成・発表した。条約の発効以後は同宣言は行われず,このリストを引き継ぐかたちで登録遺産の件数が更新されている。主な登録遺産に次のようなものがある。インドネシアワヤン人形劇(2003年),モンゴル馬頭琴の伝統音楽(2003年),大韓民国パンソリ詠唱(2003年)など。食文化では,〈フランスの美食術〉(2010年),〈メキシコの伝統料理〉(2010年),イタリアギリシアクロアチアスペインポルトガルモロッコキプロスの〈地中海の食事〉(2010年,クロアチア,ポルトガル,キプロスは2013年登録),韓国の〈キムジャン文化〉(2013年)などが登録されている。日本の登録は以下のとおりである。能楽()(2001年),人形浄瑠璃文楽(2003年),歌舞伎(2005年),雅楽(2009年),小千谷縮(2009年),越後上布(2009年),日立風流物(2009年),甑島のトシドン(2009年),京都祇園祭の山鉾行事(2009年),奥能登のあえのこと(2009年),早池峰神楽(2009年),秋保の田植踊(2009年),チャッキラコ(2009年),大日堂舞楽(2009年),題目立(2009年),アイヌ古式舞踊(2009年),組踊(2010年),結城紬(2010年),佐陀神能(2011年),壬生の花田植(2011年),那智の田楽(2012年),〈和食;日本人の伝統的な食文化〉(2013年),〈和紙:日本の手漉和紙技術〉(2014年,石州半紙(2009年登録)に本美濃紙,細川紙を追加し拡張登録)。→世界遺産条約日本料理フランス料理メキシコ料理地中海料理トルココーヒー和紙

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無形文化遺産保護条約」の意味・わかりやすい解説

無形文化遺産保護条約
むけいぶんかいさんほごじょうやく

世界無形遺産」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む