チオシアン酸アンモニウム(読み)チオシアンサンアンモニウム

化学辞典 第2版の解説

チオシアン酸アンモニウム
チオシアンサンアンモニウム
ammonium thiocyanate

NH4SCN(76.12).チオシアン酸アンモニウムはIUPACが認める慣用名.付加方式体系名はニトリドスルフィド炭酸(1-)アンモニウム.ロダンアンモン,ロダン酸アンモニウム,チオシアン化アンモニウム,硫シアン化アンモニウム,硫青酸アンモンなど,多数の通俗名がある.工業的には,CS2とアンモニア水の活性炭上の連続反応(約50 ℃),シアン化水素またはシアン化物と硫黄かポリ硫化物の反応で合成する.小規模には,KSCNと(NH4)2SO4を減圧下で加熱昇華させると得られる.室温では安定な無色,単斜晶系イオン結晶.直線状のSCNを含む.S-C1.63 Å,C-N1.15 Å.融点149.6 ℃.100 ℃ 以上で部分的にチオ尿素SC(NH2)2に異性化する.200~300 ℃ で分解して,NH3,CS2,H2Sになる.水,エタノール,アセトンなどに易溶,CHCl3に不溶.水溶液は Fe3+ で,血赤色に呈色する.Fe3+ の検出,Ag の定量分析試薬,除草剤,殺虫剤,合成樹脂やチオ尿素の合成原料,繊維の染色,写真,鋼の防食用表面処理などに用いられる.[CAS 1762-95-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内のチオシアン酸アンモニウムの言及

【チオシアン酸】より

…潮解性があり水によく溶ける。シアン化カリウムと硫黄を混ぜて熱するか,またはチオシアン酸アンモニウム水溶液に水酸化カリウムを作用させると得られる。染料や医薬品の製造原料として用いられる。…

※「チオシアン酸アンモニウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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