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チベット大蔵経 チベットだいぞうきょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チベット大蔵経
チベットだいぞうきょう

おもにサンスクリット語からチベット語に翻訳された仏典の集成。おもな部分は8世紀末から9世紀前半に訳出され,10世紀末以後タントラ関係の新訳や論書が増補された。 14世紀初頃ツァン地方ナルタン寺でカンギュルテンギュル (タンジュール) の形にまとめられ,後者はさらにプトゥンによって整備されて原形が成立した。カンギュルは「仏の言葉の訳」を意味して経と律をさし,テンギュルは「仏説を論じたものの訳」すなわち,論書をさすが,仏教以外の訳書やチベット人の著作も含まれる。カンギュルの木版本の最古は明の永楽版 (1410) で,万暦の重版 (1605) がそれに次ぎ,やや遅れて雲南北部のジャン版 (16) が現れた。テンギュルの最古の木版本も中国の雍正版 (1724) で,チベットではデルゲ版 (40) ,ナルタン版 (42) がこれに次ぐ。今日一般に用いられるのは上記3版に 1717,32,33年成立のカンギュルをそれぞれ合せたもので,北京・ナルタン・デルゲ版と称する。このほかチョーネ版がカンギュル (21) とテンギュル (73) をそなえ,カンギュルのみのものではラサ版 (1934) と,ジャン版によるリタン版がある。チベット大蔵経は忠実な逐語訳に近く,サンスクリット原典の失われたものを補い,漢訳大蔵経にないものが多数訳されているので仏教学の重要な資料である。

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