トランスヨルダン(読み)とらんすよるだん(その他表記)Transjordan

精選版 日本国語大辞典 「トランスヨルダン」の意味・読み・例文・類語

トランスヨルダン

  1. ( Transjordan ) ヨルダンがイギリスの委任統治領(一九二三‐四八年)であったころの呼称。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トランスヨルダン」の意味・わかりやすい解説

トランスヨルダン
とらんすよるだん
Transjordan

旧パレスチナのヨルダン川東岸地域をさす。歴史的には大シリアの一部で、旧約聖書時代のギリアデ、アンモンモアブエドムの地域にあたる。古来アジアとアフリカを結ぶ文明の十字路としての要所であり、フィラデルフィアアンマン)やゲラサジェラシュ)などのグレコ・ローマン型の隊商都市が栄えた。636年イスラム軍に征服され、ダマスカスに都を置くウマイヤ朝の支配下に入る。8世紀にアッバース朝が興り都がバグダードに移されるとさびれた。12世紀には十字軍の戦場となり、16世紀にオスマン帝国の属州の一部となって遊牧民の住む荒野のまま忘れられていた。メッカの太守フセイン・イブン・アリーのアラブの反乱(1916)を契機として、1923年5月フセインの息子アブダッラーを王とするトランスヨルダン首長国がイギリスの保護下に成立、現在のヨルダンの礎(いしずえ)となった。地勢はほとんどが砂漠か半砂漠である。

[塩尻和子]

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旺文社世界史事典 三訂版 「トランスヨルダン」の解説

トランスヨルダン
Transjordan

ヨルダン−ハシミテ王国の旧称。➡ ヨルダン王国

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トランスヨルダン」の意味・わかりやすい解説

トランスヨルダン

「ヨルダン」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のトランスヨルダンの言及

【パレスティナ】より

…アラビア語ではフィラスティーンFilasṭīn。北側はレバノン,東側はヨルダン川と死海を結ぶ線を隔ててシリア・ヨルダン(トランス・ヨルダンTrans Jordan),南西側はエジプトによって囲まれた細長い区域。その形状は剣や銃にもたとえられる。…

※「トランスヨルダン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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