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ト・アペイロン to apeiron

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ト・アペイロン
to apeiron

「限界 perasをもたぬもの」を意味するギリシア語。特にミレトス派の哲学者アナクシマンドロスの用語。彼は,万物がそこから生成し,またそこへと消滅するもとのものをアルケと呼んだ最初の人であるが,生成消滅が限りなく繰返され万物のうちに存するさまざまの対立的性格 (冷-温,乾-湿) が生じるためにはアルケは必然的に質量的規定を受けぬもの,すなわちト・アペイロンでなくてはならぬと説いた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典内のト・アペイロンの言及

【アナクシマンドロス】より

…彼の哲学について古人は次のように伝えている。〈アナクシマンドロスは存在するもののもとのもの(アルケーarchē),つまり要素を“ト・アペイロンto apeiron”と呼んだ。そしてそのもとのものは水でもなければ,普通に要素と呼ばれているいかなるものでもなくて,ある無規定的なる,無限なるものであり,そのものから全天界と天界の内における世界が生じると言っている。…

【ギリシア科学】より

…それまでの伝統的な〈神々の生成の物語(テオゴニア)〉はここに現実的な〈宇宙生成論(コスモゴニア)〉へと転換された。ついでアナクシマンドロスは,アルケーはすでに限定をもっている〈水〉ではなく,それ以前の〈無限定なもの(ト・アペイロン)〉であるとし,これから乾―湿,温―冷の対立物が分離し,さらに地,水,空気,火の四大元素が形成され,それによってどのように宇宙や天体がつくられるかを具体的,合理的に論究した。さらにアナクシメネスは無限な〈空気〉をアルケーとし,これが〈濃厚化〉したり〈希薄化〉することによって万物が生ずると考え,はじめて生成変化の起こるしかたを示した。…

※「ト・アペイロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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