パス(英語表記)Octavio Paz

デジタル大辞泉 「パス」の意味・読み・例文・類語

パス(pass)

[名](スル)
通過すること。特に、試験や審査などに合格すること。「試験にパスする」
通行許可証。出入国許可証や無料入場券・乗車券など。「顔パス
サッカーバスケットボールなどの球技で、ボールを味方に渡すこと。送球。「前衛にパスする」「チェストパス
トランプ遊びで、自分の番を飛ばして次へ回すこと。転じて、一般に、自分の順番を回避すること。
フェンシングで、突きのこと。
[類語](1合格及第受かる

パス(Octavio Paz)

[1914~1998]メキシコの詩人・批評家。シュールレアリスムの影響を受ける。1990年ノーベル文学賞受賞。詩集「世界の岸辺で」「言葉のかげの自由」、詩論「弓と竪琴」など。

パス

カリパス」の略。

パス(path)

コンピューター記憶装置における、ファイルフォルダの所在を表す文字列。

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精選版 日本国語大辞典 「パス」の意味・読み・例文・類語

パス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pass )
  2. ( ━する ) 通過すること。通りすぎること。
    1. [初出の実例]「汽車はトある森の中の小さい駅を通過(パッス)した」(出典:天鵞絨(1908)〈石川啄木〉一一)
  3. ( ━する ) 試験や審査などに合格すること。〔外来語辞典(1914)〕
    1. [初出の実例]「兄弟揃ってパスすれあ、ほんとに一門の光栄だね」(出典:学生時代(1918)〈久米正雄〉受験生の手記)
  4. 特定の場所や乗物などに、入場、乗車する時、いちいち金を払わなくても、それを示すことによって改札を通ることのできる券。無料入場券、優待乗車証、定期券など。
    1. [初出の実例]「パスを貰ふ」(出典:夏目漱石日記‐明治四二年(1909)九月九日)
  5. ( ━する ) バスケットボール、バレーボール、サッカーなどで、競技者が味方にボールを送ること。また、その送球。〔体育辞典(1928)〕
  6. ( ━する ) トランプなどで、自分の番をとばして次へ回すこと。
  7. パスポート」の略。
  8. パスボール」の略。〔新らしい言葉の字引(1918)〕
  9. フェンシングで、突きのこと。

パス

  1. ( Octavio Paz オクタビオ━ ) メキシコの詩人・批評家。シュールレアリスムの影響を受ける。一九九〇年ノーベル文学賞受賞。詩集「世界の岸辺で」「言葉の陰の自由」、評論「弓と竪琴」など。(一九一四‐九八

パス

  1. 〘 名詞 〙カリパス」の略。

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改訂新版 世界大百科事典 「パス」の意味・わかりやすい解説

パス
Octavio Paz
生没年:1914-98

メキシコの詩人,批評家。ビセンテウイドブロC.バリェホP.ネルーダの後を継いでラテン・アメリカ現代詩を代表する存在。17歳で詩誌の同人に加わり,《野生の月》(1933)で才能を認められる。1937年にスペインで開催された〈反ファシスト作家会議〉に参加すると同時に,《人間の根》を発表。その後はアメリカ,フランスの各地を転々とした。フランスではB.ペレを介してシュルレアリストたちと親交を結び,大きな影響を受けたが,まもなく外交官生活に入り(1946-68),インドや日本に駐在してタントラ仏教や連歌の世界を知った。初期の作品をすべて収めた《言葉の陰の自由》(1960)のほかに《サラマンドラ》(1963),《トポエマ》《東斜面》《可視的な円盤》(いずれも1968),《帰還》(1976),《樹木の内部で》(1987)などの詩集がある。こうした旺盛な詩作と並んで注目すべきものは,批評の分野における活動で,メキシコ文化を構成する本質的な要素を探った《孤独の迷宮》(1950)や,詩的営為の根本に横たわる秘密を追った《弓と竪琴》(1956)をはじめとして,《木に縁(よ)りて魚を求む》(1958),《四学》(1964),《交流》(1968),《レビ・ストロースもしくはイソップの饗宴》(1969),《大いなる文法学者の猿》(1972),《フアナ・イネス・デ・ラ・クルス尼もしくは信仰のわな》(1982),《二重の炎》(1993)などの多くの評論集をもつ。1981年にセルバンテス賞,90年にノーベル文学賞を受賞。
執筆者:


パス
caliper

工作物の外径や内径などを測定する測定作業具。図に示すような形状の外パスと内パスがある。2本の脚の開きは調節でき,その先端は細く丸められている。外パスが自重で工作物を通過するように脚の開きを調整し,その開きの寸法を金属製直尺で求め,工作物の外径を知る。内パスの場合は,工作物の穴に入れ,半径方向に対しては最大位置を求め,次に軸方向に対しては矢印のようにパスを動かして最小位置を求める。パスの開きは外パスと同様,直尺で求める。
執筆者:


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パス」の意味・わかりやすい解説

パス(Octavio Paz)
ぱす
Octavio Paz
(1914―1998)

メキシコの詩人、批評家。サパタ派として革命に参加した父親をもち、自由主義的雰囲気のなかで育つ。1933年、処女詩集『野生の月』を出す。『人間の根』(1937)や『石と花の間に』(1941)など、初期の作品には官能的な叙情詩が多い。一方、『奴(やつ)らを通すな!』(1936)でスペイン共和派を支持、37年、スペインで開かれた反ファシスト作家会議に参加。帰国後、労働組合の機関紙編集に携わるが、スターリニズム批判の立場から共産党と決別。このころ、『タリェル』『蕩児(とうじ)』などの文芸誌に盛んに寄稿する。44年、アメリカに留学、メキシコ人であることを痛感した。この経験はメキシコ人のアイデンティティを追求し、人間の孤独を考察したエッセイ集『孤独の迷宮』(1950)に結実する。翌年、外交官となり、パリに駐在。同地でスペイン内乱時に会ったフランスの詩人バンジャマン・ペレと再会、アンドレブルトンらと親交を結ぶ。このシュルレアリスム体験から生まれたのが、散文詩集『鷲(わし)か太陽か?』(1951)や傑作「太陽の石」を含む詩集『激しい季節』であり、そこにみられる中心概念は「相反するものの和解」である。インド、日本での滞在経験があり、東洋思想や俳句への関心が『火蜥蜴』(1962)、『東斜面』(1969)などの詩集に現れている。詩論『弓と竪琴(たてごと)』(1956)、『交流』(1967)、レビ・ストロース論、デュシャン論など、幅広い関心を示すエッセイ集が数多くある。90年ノーベル文学賞を受賞した。98年4月19日没。

[野谷文昭]

『高山智博・熊谷明子訳『孤独の迷宮』(1982・法政大学出版局)』『牛島信明訳『弓と竪琴』(『ラテンアメリカ文学叢書12』所収・1980・国書刊行会)』


パス(パラアミノサリチル酸)
ぱす
PAS

パラアミノサリチル酸para-aminosalicylic acidの略称。抗結核剤。1943年スウェーデンのレーマンJ. Lehmannが50種以上の安息香酸誘導体から抗結核菌作用が強力で毒性の少ない本剤を選び臨床に応用した。当初はナトリウム塩が用いられたが、胃障害のあるところから、カルシウム塩、さらに副作用の少ないアルミノパラアミノサリチル酸カルシウムがよく用いられた。耐性菌の発現と、ほかに有効な抗結核剤ができたため、最近では使用量が激減している。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パス」の意味・わかりやすい解説

パス
Paz, Octavio

[生]1914.3.31. メキシコシティー
[没]1998.4.19. メキシコシティー
メキシコの詩人,評論家,外交官。少年時代から詩作,1930年代には前衛的な『タリエル』誌に拠る詩人たちの中心的存在となった。アメリカ留学後,外交官として世界各地に勤務,特にパリではブルトン,B.ペレらのシュルレアリストと親交をもった。詩集には『激しい季節』 La estación violenta (1958) ,『世界の岸辺で』A la orilla del mundo (42) ,『言葉のかげの自由』 Libertad bajo palabra (49) ,『火の精』 Salamandra (62) ,『東斜面』 Ladera este (69) ,『帰還』 Vuelta (76) があり,1963年ベルギーの国際詩大賞,82年セルバンテス賞,90年ノーベル文学賞を受賞。ほかに古典的なメキシコ文化論『孤独の迷路』 El laberinto de la soledad (50) をはじめ,詩論『弓と竪琴』 El arco y la lira (56) ,『木に倚 (よ) りて魚を求む』 Las peras del olmo (57) ,『四学』 Cuadrivio (65) ,『回転する記号』 Los signos en rotación (65) ,『大いなる文法学者の猿』 El mono gramático (74) など,多数の評論がある。

パス
calipers

工作物や製品の寸法を他に移し換えたり,ものさしやゲージと比較するときに用いる工具。自由に開きが変えられる2本の腕から成り,軸の外径や厚さ等の物体の外側寸法をはかる外パスと穴の内径や溝幅等の内側寸法をはかる内パスとがある。使用方法としてはパスの両先端が軽く測定部分に当たるまで開き,その後は動かないようにそのままの状態で取出す必要がある。したがって,精度が必要な場合には熟練を要するが,熟練者で 0.01~0.05mm程度,一般的には 0.1~0.2mm前後の精度が期待できる。あまり高い寸法精度が要求されない場合や,機械加工中での寸法の目安とする場合によく用いられている。パスの開きをてこ式に拡大し,直接目盛りを読むことができる目盛りつきパスもある。

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IT用語がわかる辞典 「パス」の解説

パス【path】

コンピューターの記憶装置における、ファイルやフォルダーの所在を表す住所に相当する文字列。記憶装置内のファイルやフォルダーは、ひとつのフォルダーの中にファイルやフォルダーがまとめられ、まとめられた各フォルダーの中にもファイルやフォルダーがまとめられ…といったように、階層が深くなるほど枝分かれする入れ子状の階層構造をなしており、その所在は上位の階層からドライブ名・フォルダー名・ファイル名などを「/」や「\」で区切った文字列で指定する。◇最上位の階層から目的とするファイルやフォルダーのある階層までの道筋をすべて記述して所在を指定したものを「絶対パス」といい、起点となる現在位置からの道筋を記述して所在を指定したものを「相対パス」という。

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百科事典マイペディア 「パス」の意味・わかりやすい解説

パス

メキシコの詩人,批評家,外交官。ラテン・アメリカのみならず,世界の現代詩を代表する存在。長く外交官を務め,日本やインドにも赴任したが,1968年の政府による学生虐殺に抗議して職を辞した。シュルレアリスムの影響のもと人間の根源的な孤独をうたった詩集《言葉のかげの自由》や《東斜面》などが代表作であるが,批評家としても卓越しており,メキシコ文化論の《孤独の迷宮》,詩論《弓と竪琴》に見られる論理は圧倒的である。1981年セルバンテス賞,そして1990年ノーベル文学賞受賞。
→関連項目ペソアレイエス

パス(PAS)【パス】

抗結核薬。パラアミノサリチル酸の略称。白〜淡クリーム色の結晶。各種結核性疾患にカルシウム塩またはナトリウム塩としてストレプトマイシン,カナマイシン,イソニアジドなどと併用。副作用として胃腸障害などがある。1950年代に多用されたが,現在はあまり使用されない。
→関連項目小児結核

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「パス」の解説

パス
Octavio Paz

1914~98

現代メキシコの代表的詩人。パリでシュールレアリスムの洗礼を受けたが,たえずメキシコの現実を詩的に表現する新しい道を模索し,20年間にわたる外交官生活の間に,仏教や日本の詩歌の世界も知って視野を広め,1960年以後次々と優れた詩集を発表した。評論でも,メキシコ人のアイデンティティ探求の古典として知られる『孤独の迷路』(1950年)をはじめ,『弓と竪琴(たてごと)』(56年),『ファナ・イネス・デ・ラ・クルス修道女』(82年)など重要な作品が多い。セルバンテス賞(81年),ノーベル文学賞(90年)を受賞。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「パス」の解説

パス

ファイルのある場所までの経路を示すための文字列で、ファイルの住所のようなもの。サーチパスともいう。「C:¥User¥Documents¥ファイル名」のように、ドライブやフォルダー、ファイル名を「¥」や「/」で区切り、上の階層から順に記述する。ファイルを1つのフォルダーにまとめて置いておけば、コンピューターはその場所を探すだけで目的のファイルを見つけられるが、ファイルの種類が増えてくると目的別にフォルダーを作って分類したほうが扱いやすい。そこで、フォルダーの階層が深くなっても、コンピューターが目的のファイルやフォルダーをすばやく見つけられるようにパスを指定する。

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パソコンで困ったときに開く本 「パス」の解説

パス

ファイルがどのフォルダーにあるのかを示したものです。ドライブ名、フォルダー名、ファイル名を「¥」という記号で区切って表します。例えば、「c:¥集計表¥5月分.xls」なら、Cドライブの「集計表」というフォルダーの中にある「5月分.xls」というファイルのことを示します。複数のフォルダーに同じ名前のファイルがあっても、パスによって特定できるのです。
⇨ドライブ、ファイル、フォルダー

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

占い用語集 「パス」の解説

パス(小径)

セフィロトの樹を構成する10個のセフィラをつなぐ道すじ。22本あり、タロットカードの大アルカナの枚数と同じ数なため、関係があるとする説もある。このパス(小径)をたどってケテルに到着することがカバラの秘儀とされる。

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化学辞典 第2版 「パス」の解説

パス
パス
PAS

p-aminosalicylic acidの略称.[同義異語]4-アミノサリチル酸

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ダイビング用語集 「パス」の解説

パス

チャネルとほぼ同義語。リーフの間に開いた水路を意味する。

出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報