山川 世界史小辞典 改訂新版 「ナチ党」の解説
ナチ党(ナチとう)
国民社会主義ドイツ労働者党(Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei)の通称。正式略称はNSDAP。1919年1月5日ミュンヒェンにドイツ労働者党が成立し,20年2月24日,二十五カ条綱領を決定し,国民社会主義ドイツ労働者党と改称した。21年7月末にヒトラーが党内の全権を握り,死ぬまで独裁者の地位を保った。23年11月8~9日,ヒトラー一揆を起こしたが失敗。党は禁止されたが,25年2月に再建され,武装組織エス・アー(SA)やエス・エス(SS)をもつ一方,大衆組織を利用する合法運動として発展,32年7月の国会選挙で第1党となる。33年1月第三帝国が成立し,同年7月にはナチ党以外の政党が禁止された。党組織が一種の国家機関となり,ドイツ労働戦線,ヒトラー・ユーゲント,ナチ婦人団以下の組織に,国民の大部分を組織した。熱狂的党員は比較的少数であったが,国内有力者の圧倒的多数が消極的に支持した。第二次世界大戦の敗戦直後連合国により禁止された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報