ニコラウス(1世)(読み)にこらうす(英語表記)Nicolaus Ⅰ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニコラウス(1世)」の意味・わかりやすい解説

ニコラウス(1世)
にこらうす
Nicolaus Ⅰ
(?―867)

絶対的な教皇権を確立した中世初期のもっとも卓越した教皇の一人(在位858~867)。聖人。ローマ出身。キリストが教皇職を定め、最高の権能を与えたことを強調し、地上における神の代理者として聖俗両領域の諸問題についての支配権を要求した。863年コンスタンティノープルの総主教就任に干渉し、これを破門、東ローマの教会にも教皇権の優位を示した。フランク王ロタール2世Lothar Ⅱ(在位855~869)の王妃離婚および愛人との再婚を認めず、教会の婚姻権を主張して、いかなる権力者にもキリスト教徒が従うべき神法への絶対的な従順を求め、王を服従させた。

[磯見辰典 2017年12月12日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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